ダイハード 観てみたよ

投稿者: | 2019年7月12日

無題
ダイハード
(1988年 アメリカ映画)90/100点


まさに、アクション映画の金字塔的存在の第1弾『ダイハード』

第1弾のあまりの出来の良さに、新作が出る度にファンを納得させられないでいると言われています。本作がどれほど優れていたのか、今更ながらおさらいしてみようと思います。

改めてじっくり観ると、最近のシリーズにはない見事な展開に感心し、抜群に面白かった。なにより、ほとんどの場面を覚えているのに飽きないってのは、それほど優れているということでしょう。

まず。

なんといっても、これ。

ブルース・ウィリスに、髪の毛がある!(そこ!?)

確か、『ダイハード4.0』からはスキンヘッドなんですよ。だから、『4.0』はダイハードっぽくないなあ…、と思ったのかもしれません。(そこ…?)

『3』までの、かろうじて髪の毛が残ってる感じがいいんです。生え際 往生際の悪そうなダイハードの主人公っぽくていいんです。(!?)

あらすじは、「ニューヨーク市警のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、ロスにある奥さんの勤める会社のクリスマスパーティーへ出かける。そこへテロリストが乱入。奥さんのホリー含む、30人が人質となり、たまたま難を逃れたマクレーンは、一人テロリストたちと戦う。」というお話。

<完全ネタバレです。>

本作は、「多勢の犯罪組織に、たった一人で立ち向かう」というアクション映画の王道スタイルを確立させました。以後、スティーブン・セガールの『沈黙シリーズ』など、数々のアクション映画がこのスタイルを踏襲したのです。

そして。

本作の大きな特徴は、物語が「ナカトミ・ビル」の中だけで展開されること。無駄に全世界を飛び回ったりしません。そこがいい!

なぜかというと。

行動範囲が限定的なので、敵との距離が常に近いわけです。そのため、ビル内をこそこそ動き回るマクレーンが、いつ敵と遭遇するかわからない緊張感があります。

おまけに。

物語の舞台が変わらないので、緊張感が途切れません。131分と長い上映時間にもかかわらず、ちっともだれることなく、ずっと画面に引き込まれっぱなしなのです。

けど。

マクレーンがたまに隠れ場所で一服するなど、適度な休憩タイムがあります。そこで、観客もほっと一息つくことができるわけ。観客の心理を操縦する監督ジョン・マクティアナンの手腕に、舌を巻きます。

マクレーンが、「ついてねえ…」と愚痴りながら戦う姿も斬新でした。

まだこの頃は、どことなく銃の構え方もたどたどしい気もするマクレーンですが、まさかこの十数年後に、戦闘機相手に戦う(『4.0』にて)ことになるなんてねえ…

今度の新作では、どうかそんな馬鹿なことしませんように!

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(展開もスピーディーなら、マクレーンもかなり機敏)

敵役も魅力的です。組織のリーダー・ハンスを演じるのは、アラン・リックマン。なんと、『ハリーポッター』のスネイプ先生です。イギリス人俳優らしい、紳士な雰囲気で悪を演じます。

時に人質の要求を聞き入れたり、時に冷酷に人質を撃ち殺したり、時に人質のフリをしてみたり、時にビルからスローモーションで落っこちたり。ボスなのに、よく働いてるな!

このボス、実際はとんでもない外道ですが… 人質の中に「妊婦がいる」と聞いて「まじぃ…?」って顔したり、うざい人質を「始末しようか?」と部下に問われ、小刻みに首を振ったりするところに、ちょっと人間性が垣間見えます。意外にも、この犯罪組織の中で最も表情豊かな悪人なのです。

だからこそ。

悪人側が、難攻不落の金庫室をついに開けた、その時。

BGMのベートーベン「第9」もあいまって、ハンスの「やったよ…」という表情には、とてもカタルシスがありました。敵の一人が「メリークリスマス」と呟いた時、ちょっと鳥肌立ちましたよ。

悪人側にも塩を送るような演出が、ニクいね。

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(金庫室が開いた瞬間。敵側もいい顔します。)

脇のキャラクターたちが印象的なところも、良いです。

無線だけでマクレーンと結ばれた黒人の相棒・パウエル巡査は、「かつて13歳の子供を誤射してしまい、それ以来銃を抜けなくなってしまった」という、過去のトラウマ話をします。その前フリを無駄にしてたまるかと言わんばかり、きっちりラストに活躍するのがいいですね。

FBIの黒人と白人も印象に残ります。

黒人FBI「どれくらい死ぬかな?」
白人FBI「テロリストは全員。人質は25%くらいかな?」
黒人FBI「いい線だ」

この二人、人質救出よりもテロリストを射殺することばかりに躍起になってるクズ。彼らもまた、このフラグをきっちり回収してみせます。いい仕事したね!

・もちろん、アクション場面がスペクタクル! ビルの屋上が大爆発する場面は、目が点になったものです。今でも、本作の爆破シーンが一切衰えて見えません。爆発の派手さ以上に、カット割りや人の動きがカッコ良いからでしょう。

大爆発と同時に、マクレーンが屋上からダイビング。
体につなげた消火栓ホースで宙ぶらり。
ビルの窓を蹴って窓から離れ、銃で窓ガラスをぶっ壊して部屋へ飛び込む。

この流れの、カッコいいことといったら!

あと。

敵のボス・ハンスが屋上から落っこちるシーンも脳裏にずっと残っています。昔、ウッチャンがモノマネしてました。驚いた表情で、スローモーションでゆっくり落ちていく場面。撮影時、監督がわざと打ち合わせとは違うタイミングで落としたので、あれはマジの驚き顔なんだとか。

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(「あんときゃ、マジでびびったよ」と語るアラン・リックマンさん)

さて。

微笑ましい突っ込みどころもいくつか。

・無線機の使い方。基本、無線機での会話は互いに筒抜けのはずなのに、マクレーンは無線機で、「なにやってんだ! 警官を突入させるんじゃねー!」と警告してます。それ…、敵に聞かれてるんでは?

・敵の一人が、作戦に大事な起爆剤を抱えたままマクレーン探し。マクレーンに奪われて焦りまくる敵側ですが、そんな大事なものを抱えたままマクレーンを探しに?

・さっさと撃っちゃえよ。弟を殺され、死ぬほどマクレーンをぶっ倒したい敵が、マクレーンを見つけても銃を突きつけるだけ。いったい何の躊躇だ!? アクション映画の定番の突っ込みどころですが。

・悪人側の作戦が、運まかせ。電磁ロックされた金庫室が、FBIがビルの総電源をシャットダウンしたら開いちゃった! これも作戦のうち? だとすると、必死な思いで警察に事態を知らせたマクレーンの努力は、悪人側の思惑通りだったわけですな。

あと、包囲されているビル内からテロリストたちはトラックで逃げるつもりだったらしいけど、どうやるつもりだったのか…?

・マクレーンがビルを破壊。仕返しだ! とばかりにビル内を爆破するマクレーン。あの…、あんた人質いるの忘れてないよね?

といったツッコミどころがちっともマイナスにならないほど、本作は、ほんとに痛快の大傑作。

たしかにこんなに優秀な先代を、今後の新作で超えることができるというのか…。私は、それは難しいと思っています。

だって新作の予告編を観たら。

早速マクレーンがスキンヘッドだもの。(はい、そこでした!)

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